
再来週から全国高校野球選手権が始まります。
高校野球で甲子園というと関西ではそこそこに話題に上がるイベントではあるのですが、その際、京都でのCMというと京都銀行かわかさ生活かというぐらいにCMが流れます。
「ながーいお付き合い」のフレーズと「ブルブルベリベリアイアイブルーベリーアイ」の曲調は、関西に住む人間ならどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
で、そのブルーベリーで一挙のし上がったのがわかさ生活という会社です。あそこのは厳密にいうと「ビルベリー」という品種なのでブルーベリーではありませんが。
現在の本店は京都ですが元々大阪で創業したのは調べて初めて知りました。
そのブルーベリーアイサプリのページには「ひとみをやすめる」とはあっても「視力が良くなる」といった事は一切書いてありません。薬機法的にダメだから…というのもあるでしょうが、あくまで「目に関する栄養素がある補助食品」なんですよね。イメージ戦略の勝利という気がします。
ではここから本題。
「サプリでなく、ブルーベリー自体の目に対する影響はどうなのか?」と云うことです。
元々、ブルーベリーの栄養素の何が目に関わるのかというと「アントシアニン」という色素です。
抗酸化作用とかはちょっと置いておいて、「アントシアニン」は目の網膜にある「ロドプシン」という蛋白質の合成を補助します。
このロドプシン、何に使用されるかというと「夜間視」に用いられます。
ヒトの眼球には主に「色」と「光(明暗)」を区別する細胞がそれぞれに存在しますが、そのうち、「光(明暗)」を区別する細胞を「桿体(かんたい)細胞」と言います。
この桿体細胞が明るさを感じるときに必要なのがロドプシンなのですが、このロドプシン、一度光を受けると分解され別の物質(オールトランス型レチナールとオプシン)になってしまいます。この二つを再合成するときの補助(活性化)になるのがアントシアニンなんですよね。
つまり、明るさの区別をするのに有効であって、視力の調節部分(毛様体筋等)には一切関知しないということです。
結語として
ブルーベリーを摂ることで「夜目が効く」ようになっても「視力が劇的に上がる」と云うことは無いということですね。
ただアントシアニン自体の効果は他にもあって
毛細血管保護効果、白内障に関わる活性酸素の除去、胃潰瘍になりにくくする、結合組織の強化
ブルーベリーのアントシアニン組成とブルーベリー・ワインの生理的効果(2000)
https://asevjpn.jp/web/wp-content/uploads/2022/06/vol11_-no2_03.pdf
といったものがあるとされています。上記実験は赤ワインに果汁ぶち込んでるので単純なブルーベリーの効果とは言い難いですが。
これから某CMが流れたらこんなことを思い出していただけると良いかもしれません。
それでは良い一日を。
