朝の気温が12度とかになって順調に冬の気温になりつつあります。
朝起きるのが段々辛くなってきました。太陽の明るさは偉大ですね。
今日は久しぶりにスポーツ関係の記事を。
ここ十数年程で知名度を上げてきたボルダリング。
要は紐の無いクライミングですが、2020,2024のオリンピック競技の一つとしても採用されていました。
私も十数年前に少しばかり齧ってました。
ただ、院の昼休憩とかに行ってたのですが、それをすると午後の診療で力が入らないとか筋肉痛がヤバいとかで長続きはしませんでしたね…。普通に全身運動でした。特に肩回り。
レンタルの靴とチョークで1時間千円程度と比較的リーズナブルにできるスポーツとしては面白かったです。
オリンピック見てると別次元でしたけどね。
ボルダリングの身体の動かし方って結構特殊…というか全身を思う通りにコントロールしないと中々次のステップに進めなかったりします。指に体重をかけるか、数センチ身体を壁に近づけるか、腕をどこに通してから次のホールドに指をかけられるか等。
特に体重移動が大事で、体重移動が出来るだけでもホールドの持ちやすさが段違いに違ったりします。
さてそんなボルダリングで多いのはやはり回旋筋腱板の損傷ではないでしょうか。
あと指の捻挫や腱鞘炎。
今回はその辺りを。
回旋筋腱板(棘上筋)損傷
これに関しては以前にも少し書きました。
肩の損傷はどのスポーツでも多いですからね。
肩関節の外転、つまりは外側へ手を挙げるような動作を行うと棘上筋と肩峰部分での衝突が生じます。
通常であれば多少衝突しようが上図にあるような肩峰下包という潤滑液の入った袋(滑液包)がクッションとなりスムーズな動きを作ってくれるのですが、棘上筋の損傷・炎症、滑液包の炎症、周囲の靭帯の損傷などが生じているとその組織に負荷がかかった段階で痛みが出ます。
by プロメテウス 上肢編 右肩前方から 医学書院
斜め上に大きく移動するようなとき、また片腕でぶら下がるような状態の時に損傷します。
一度痛めると中々痛みが取れない部位なのと、動かさないようにするとすぐに癒着、すなわち固まってしまう関節でもあるので厄介な部位でもあります。
痛みがある場合、あるいはパキパキ音が鳴って痛みがある場合の対処としては
「安静」はいつも通り大切なのですが、ストレッチが効果的です。
あとは痛みが無いように動かすといった運動療法が大事ですね。
TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷
手関節の尺側、すなわち小指側の手首が痛いとなった時にまず疑うのがこれです。
ホールドしながら肘の位置移動なんかして手首を捻る状態になった時に生じたり、落下した時に手を衝いて~という時に多いですね。
長ったらしい名前ですが、三角の線維軟骨と呼ばれる軟骨や靭帯をひっくるめてこういう言い方をしますよーというだけです。
テニスやゴルフなどの手首を使うスポーツでも痛めやすい部位となります。
あるいは転倒して手を衝いてしまった時なんかも。
(手を振るときのように)手首を小指側に反らせたとき(尺屈)に痛みが出た場合は殆どこれ。
赤枠部分が線維軟骨(関節円板)部分 by プロメテウス 上肢編 手関節断面 医学書院
上の図の赤枠部分ですが、手のアライメントが狂うと結構簡単に痛みが出ます。
三角骨と呼ばれる手の骨と尺骨と呼ばれる前腕の骨の間に挟まるように軟骨や靭帯があります。
圧力がかからなければあまり痛みは出ませんが、一度痛めると一定動作で痛みが出ます。
この場合も安静にするのが自分で行うケアとしては最適ですが、アライメントが狂っている状態であれば、矯正を入れれば一発で痛みが取れることも多いです。
ただ、痛みのある状態を放置していると身体が誤った位置を覚えてしまっているので数日で痛みが再発したりします。
なので何度か通って頂き、身体が正しい位置を覚えてしまえば普通に過ごすことが可能となります。
そういう意味では比較的早めに治る疾患ではあったりしますね。
スポーツでのケガは放置するのが一番ダメです。
早め早めに治療を行わないとその後の予後に関わります。
少しでも気になったら直ぐに医療機関を受診するようにしてください。
当院ではこういった怪我も得意としていますので是非ご相談いただければと思います。
それでは良い一日を。


