ツボというものは人体において名前が付いているものが700以上あると言われています。
鍼灸師の国家資格を取得するためにはその中でもWHOが規定した361穴は名前とどのような流れにあるものかを覚えます。
が、現場においてそれらをすべて使うか、と言われてもそんなことありません。
むしろ現場で使うのは100にも満たないのではないでしょうか。私も使わないものは正直忘れてしまっているものも多数あります。
やはり効果がハッキリしている、経絡の作用上別の場所に波及しやすいようなツボを使いがちです。
今日はそんな中、まず使わないというツボをいくつか紹介
会陰(えいん)
一発目からなんでそんなところを…という場所なのですが私が学生時代一生使うことは無いだろうけども、衝撃で一生忘れないだろうなと覚えたツボです。
その名の通り、股の間、両坐骨を結んだ点よりやや前方あたりにあるツボなのですが、「人事不詳」つまりは意識が無くなった人、あるいは仮死状態にある人に対し蘇生術として使うツボだそうです。意識を失った人の股座(またぐら)開いて中国鍼という日本の鍼より太くて長いやつをぶっ刺すと授業で聞いたときは笑うしかありませんでした。使う事無ぇ、と。
それでも代表的な14経絡の内の一つの始まりの穴なので覚えなくてはならないツボの一つです。
齦交(ぎんこう)

唇と歯茎を繋ぐ細い線維を上唇小帯というのですが、その直下にあるツボです。
上唇をめくると歯茎と繋がっている細いひも状のものですね、その歯茎側に取穴します。
これも気付けに使われると聞いた覚えがありますが、メインは鼻症状や首痛などで使われるそうです。
ただ、私の手持ちの昭和39年発売の書籍でも「現在あまり使われない」とあるので相当前から使われていないと思われるツボです。唇めくってこんなところに鍼する事は…ないですね。
爪際穴

逆子の灸として有名なツボの一つですが、それ以外にはあまり使わないです。
各指先の爪の生え際にもツボがあります。名称としては「商陽」「至陰」「陰白」「少沢」など様々ですが、それぞれの経絡の始めや終わりに多いツボです。
ただ、これらは使わない…というより使いにくい、というツボですね。鍼するにしても基本痛い…。
発熱している時に抑えたりしたい場合はここに鍼をして少しばかり出血させる…というような使い方(瀉血)がありますが、院内であまり出血させるような手技は使えないので…。
足の小指の外側にある「至陰」なんかは逆子の治療穴として有名なのでお灸を据えたりすることはありますが、逆に言うとそれ以外ではあまり優先されないツボですね。そこ使う位なら他のツボでええやん、となります。
鳩尾(きゅうび)
きゅうびと読みますが、みぞおちのことですね。
胸の真ん中にある骨を胸骨といいますが、その下端には剣状突起と呼ばれる突起があります。その直下。
一応心臓疾患や胃疾患に用いられるツボ、という名目はあるのですが教科書的には禁鍼穴であり禁灸穴でもあります。どう使えと。場所的には胸の下端でもあるのでやはり気胸といった事故が怖い場所なので使うことは無いですね。
その上にある膻中(だんちゅう)というツボも使いたいときはあるのですが、胸のど真ん中なので女性に対しては中々使い辛いツボだったりします。
至陰なんかは婦人系をメインに行われている鍼灸院ではよく使われています。
当院では…あまり使うことは無いですが知っていれば大きな効果をもたらすことが出来るツボなのでやはり知らないよりかは知っている方が良いものではあったりします。
知っているという事は対応できるということなので。
ただ、他にも口内にあるツボとか沢山あるのですが、これもまた使うことは無いだろうなと。
それでは良い一日を。




