鍼灸治療の効能として「心療」的な効果があります。
有名なのはアメリカで戦争から帰ってきた軍人のPTSDの治療に鍼灸が使われているというもの。
鍼灸を行うことでストレスや気分障害の改善にエビデンスがあるとされています。
難しい言い方をすると
鍼を刺入すると皮膚・筋膜の感覚受容器が興奮し信号を中枢神経へ
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そこから脳幹の迷走神経核や視床下部、自律神経中枢に作用
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交感神経活動を抑制し副交感神経を賦活(ふかつ)する効果が発揮(心拍数や血圧の低下、消化管蠕動(ぜんどう)運動の促進などリラックス時の生理反応が生じる)
特に使用されるツボとしては
不安の改善:内関(ないかん) 神門 百会(ひゃくえ)
悪夢の軽減:心兪 巨闕(こけつ )
睡眠障害:安眠(耳の後ろ) 三陰交 太谿
消化器症状:足三里 関元(かんげん) 合谷 中脘

さらに抑うつ感が強ければ腰の命門、関元の少し上の気海などを用います。
こうしたツボは単に「気分を良くする」というものではなく、身体の反応を通して心に働きかけるという点が特徴です。心の不調は頭の中だけで完結しているわけではなく、自律神経や内臓の働き、筋肉の緊張など、身体全体の状態と密接に関係しています。
実際に、緊張していると呼吸が浅くなり、胃腸の動きが落ち、身体がこわばるといった変化は誰しも経験があると思います。鍼灸はそうした身体側の変化にアプローチすることで、結果として「気分が軽くなる」「よく眠れる」といった変化を引き出します。
言い換えれば、鍼灸は心を直接操作するのではなく、身体を整えることで心が整う状態をつくる治療ともいえます。薬とはまた違ったアプローチとして、負担が少なく、継続しやすいのも特徴の一つです。
日常のストレスや不安、なんとなくの不調が続いている場合、その背景には身体のアンバランスが隠れていることも少なくありません。そうした「はっきりしない不調」に鍼灸を考えて貰えればと思います。
久しぶりにツボを紹介した気がします。
実は来月、自宅を院の近くに引っ越す予定やら、実家の改装に伴って置いている荷物を断捨離したりで色々忙しかったりするもので、ゆっくり書く時間がなくなってきたりししてたりします。
それでは良い一日を。
