国家試験でよく出てくる割に現場ではあんまり見ない外傷について。
そのくせ知らないと見落ちしがちな外傷なので覚えておかないといけない怪我になります。
足関節捻挫、というと足底が内側を向く「内反捻挫」というものが一番多いものとなります。
その時、どこが損傷するかと言うとちょっと聞きかじった方なら「前距腓靭帯」と呼ばれる靭帯が損傷するのが最多となります。
その靭帯が「線維損傷」なのか「部分断裂」なのか「完全断裂」なのかで損傷程度を把握したりするのですが、そのあたりのお話はちょっと置いておいて
外果と呼ばれる外くるぶしの前方に痛みがある場合は上記の前距腓靭帯なのですが、それよりも下方、足背の部分で痛みが出ている場合、この損傷の可能性があります。
場所としては下図

踵骨と立方骨、舟状骨をそれぞれ結ぶ靭帯。
負傷原因としては「つま先が引っかかって下向きに足を捻った」ような形になります。
足底が後ろを向くような状態を強制され、足背部にある二又の靭帯が損傷するというもの。
上記の前距腓靭帯とは場所が違うので一緒くたにしてしまうとまずいやつです。
注意なのが、この受傷機序が「裂離骨折」しやすい捻挫なのが厄介なところ。
足背部に押して痛みがあり、且(か)つ受傷後1日で内出血が広範にみられる場合は可能性が高まります。
足背部がパンパンに腫れてくるような状態であればまずは接骨院や整形外科等の医療機関に行きましょうね。
※ちなみに世間一般でいわれている「剥離(はくり)骨折」は医療用語では「裂離(れつり)骨折」と言います。
・裂離骨折は筋肉や靭帯により”引っ張られて”骨が欠けるような骨折の事。
・剥離骨折はその名の通り打撲などにより骨表面が剥がれるような状態の事をいいます。
お医者様でもそのままの方が理解されやすいので区別せずに説明されることが多いですが、用語的には別物です。
さて、治癒機序ですが、一番軽い状態であれば適切に固定と治療を行えば1週間もすればある程度痛みは治まります。適切に治療を行う必要があります。放置してはいけませんよ。
これが部分断裂とかになると2~4週間。完全断裂となると完治まで二か月とか考えて頂いた方が良いでしょう。
特に完全断裂の場合はギプス固定も視野に入るぐらいの腫脹や痛みになるでしょう。1か月ぐらいである程度くっつくのはくっつきますが、松葉杖で免荷歩行して頂く形になるかと思います。
当院で超音波検査をした後に骨折疑いがあれば、一度整形外科でレントゲン撮影をお願いする形になるかとは思います。
足部の捻挫は靭帯損傷を伴うことが多いので一度専門家にお願いするのが一番です。
日にち薬で治るかな?と放置すればするほど治癒が遅くなることも多いので早めの処置を心掛けましょう。
それでは良い一日を。
