京都市伏見区の視力回復・姿勢改善・腰痛改善などの鍼灸接骨院

たかのめ はり灸治療院 接骨院

難聴と耳鳴りのはり治療

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昨日は山鉾巡行でしたが生憎の大雨…と言いつつ、ここ十数年山鉾巡行見た覚えがないです。
鉾や山を見に行った覚えも数える程度ですが、巡行自体は中々見に行くタイミングが…。
市内近郊で勤めていた時の昼休みに少しばかり見に行った位で殆どはTVで見る程度。
京都人でも洛中から離れるとイベント感としては多分そんなもんだと思います。

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さて、そんな大雨のような天候の変化の時に感じることが多い方もいる体調変化。
その中でも今日は耳鳴りについて。

耳鳴りは外界に音が無いのに音を耳で感じてしまう状態。
聴覚が低下するものを難聴といいますが、耳が聞こえないものを耳聾(じろう)と言います。

東洋医学的な治療対象である難聴と耳鳴りについてですが先に一つ。

片耳が急激に聞こえにくく感じた場合は突発性難聴と言い、急性病となります。
直ちに耳鼻科へ行って診断を貰って薬を処方してもらうのが確実です。
1週間も放置したら耳の細胞が死滅して二度と回復しない可能性が出てきますので注意です。

さて、そんな脅しをかけておきながらそこから回復できないかを考えるのが東洋医学。

そういった突発性難聴みたいなものは基本的にストレスや気の使い過ぎによって生じることが多いとされます。
怒気は気を鬱滞させます。これが放置されると化火といい、火の気が頭へ上ります。
またストレスは気を使い、脾や胃が上手く働かなくなると水気が鬱滞し、長期に改善されないとこれも化火となり火の上炎作用により頭に昇ります。

どちらも昇った火の気が耳に作用してしまうと耳鳴り、難聴が生じます。

あるいは脾胃が弱ると栄養を取り込めなくなるので気や血が生成されなくなる。
房事過多などにより腎虚となり気の流れが悪くなる。
といった場合でも耳鳴り・難聴が生じます。

肝火(痰火)による難聴は「実」の証で突然発症することが多く、耳を押さえると症状が増強されます。
「虚」の証で発生した場合は耳鳴りが徐々に発生し聴力が減少、また耳を揉むと症状が軽減する形になります。特に腎虚などが有名ですね。

ただ、先に述べた通り、実証となる急性の耳鳴り・難聴は放置すると耳の細胞が死滅しますので早急な対処が必要です。逆に48時間以内の投薬の有効性が確立されています。

死滅してたら改善無理じゃない?と思われるかもしれませんが、耳への栄養不足などで生じている場合は耳への血流を改善させてやることで少しでも生き残った耳の細胞を活発にしてやることができます。

実証に対しては肝火を押さえるように、また局所の気血の流れの改善を図るように治療を行います。足竅陰などが主穴となります。

虚証に対しては腎への補がメイン、また同じく局所の気血の流れの改善を行います。
翳風、聴会、腎兪、太谿とかですね。

「素問・霊枢」と呼ばれる教科書となるような中国の古い本には
「耳の聞こえないものには聴宮、関衝、足竅陰を取れ」「耳鳴りには耳門、客主人、中衝、厲兌、魚際を使え」などと書かれています。

ただ、今日は一般の人へのここを押せ的なツボはありません…
耳鼻科で良くならない難聴・耳鳴りでお困りの場合はお近くの鍼灸院へご相談いただくのが早いかと思います。
当院でも積極的治療を行っております。

それでは良い一日を。