
昨日、梅雨明けたようです。湿度が上がったり気温が上がったりで大変です。
これに部屋でのエアコンで温度差を感じたりすると身体がついていかなかったりしますが、そんな中、「頭痛」が酷くなる方もおられます。
そんな方にお勧めなのが鍼灸治療です。
今回も東洋医学的に説明してみましょう。
まず頭痛は医学的には大まかに分けて
「筋緊張型頭痛」と「血管性頭痛」、「群発頭痛」の3種類
筋緊張型はその名の通り、筋肉が過緊張を起こすのが原因
血管性は疲労やストレスが原因となりやすいとされています。
群発頭痛は…原因不明とされていますが頭痛だけでなく結膜の充血、鼻閉や鼻汁が出るとされます。
血管が作用して生じていると、かの芥川龍之介も悩んだという「閃輝暗点」が頭痛の前に生じる前駆症状としてみられることがあります。
―――のみならず僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?――と云ふのは絶えずまはつてゐる半透明の歯車だつた。僕はかう云ふ経験を前にも何度か持ち合せてゐた。歯車は次第に数を殖
やし、半ば僕の視野を塞
いでしまふ、が、それも長いことではない、暫らくの後には消え失
せる代りに今度は頭痛を感じはじめる、-――
芥川龍之介「歯車」
歯車のようなチカチカした光が見えた後に頭痛が始まるという記述です。
主人公が作中で医者にも云われているようにタバコなんかは原因になりやすいので注意です。
さて、こういった頭痛を東洋医学的に考えると
「外邪」と呼ばれる風、寒、湿、熱などが侵入してくることにより生じるもの
「内傷」と呼ばれる気、血、陰陽が影響して生じるもの
に分けられます。
特に血管性の片頭痛については片頭痛や片頭風と呼ばれ、鬱結した肝や胆の気が風や火に変化し、それが上昇、顔面を搔き乱して生じたものが多いとされます。
肝の気は顔の前を通り、胆の気は側頭部を通るような気の流れをしているのでそれらに沿った痛みが出やすいとされています。
どういった治療をするか
顔面部の鍼が有効で、こめかみの辺りの「太陽」というツボや、「胆」の経絡上にある風池、陽白、頭臨泣といったツボを用います。
肩こりなどが酷い場合であれば、これに後頭部の「天柱」、肩のツボである「肩井」といったツボも用います。
上手に治療できると比較的すぐに頭痛が収まりますが、逆にこれで収まらない場合は他の病因を疑わなければなりません。
やはり頭痛は怖いものなのでMRIやCTなどで頭蓋内での異常がないことを確認はしておきたいものです。
それではよい一日を。
