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たかのめ はり灸治療院 接骨院

タグ: 腹痛

  • 下痢と東洋医学

    下痢と東洋医学

    外気温22度となるとちょっと寒いですね。25度ぐらいがバイクで走る丁度良い気温かな?と思います。
    走行中はお腹が冷えないようにカバンを膝の上に乗せています。

    冷えると下しますからね…。
    皆さんも冷えて下すというのは体験した事があるのではないでしょうか。
    まぁ、下すという状態はあんまり人に相談できるものではないかもしれませんが、下痢になった瞬間は結構何かしらに祈りたくなりますよね。

    しょっちゅう下痢している身としてはよく分かります(笑
    月に1回、あるいは脂ものを急いで食べると大体下します。
    最近は二郎系でもゆっくりよく噛んで食べると確率が下がる気がしてますが、ニンニクは抜きにしないと怖いです。

    東洋医学でいう下痢には泄寫(せっしゃ)と痢疾(りしつ)と2種類あります。
    泄寫は基本的に消化不良によるもの。痢疾については細菌感染や炎症性腸炎と呼ばれるもの。
    痢疾については基本的に病院での対応が必要なものになるので置いておいて。
    なのでここでは一般的な泄寫について
    簡単な判別としては

    ・熱や悪寒(寒気)を伴う場合
     →下痢の前に激しい腹痛がある→熱症による
     →胃や腹が腫れぼったく身体がだるい、お腹が鳴る→湿邪による
    ・熱や悪寒を伴わない場合
     →下痢の時に寒気がし、手足が冷える→寒虚証
    ・便に未消化物が混ざる、屁をすると楽になる。
     →傷食(食べ過ぎ、消化不良)

    といった感じ。
    ただ、先ほどの食べ過ぎであれば傷食…と言いたいところですが、脂ものを多く食べた後なんかに起こり、便が黄色っぽいのは湿熱によるもの、という判断に変わったりもしますので一概にコレという判断は難しいです。

    私なんかアイス食べて冷たい飲料飲んだ時にも下痢しますし、身体が冷えても下痢しますし、食べ過ぎた時にも下痢します。
    どんだけ胃腸弱いんだと思う所はあるのですが、おかげで体重は増えないのでそこはありがたい?所。

    なので、なった後よりなる前に、特に食べるものには気を付けたいところです。
    特に早食いは駄目ですね。ゆっくり食べることで脂と胆汁がしっかりと混ざる時間を作ることが大事です。(個人的意見)

    当然、ストレスなんかでも誘発される場合があります。
    お灸なども良いのですが、ストレスによるものでは漢方薬として半夏瀉心湯なんかが良いとされています。

    そんなことより応急的に何かない?…と調べてきた方がおられたのであれば…ツボを一つ紹介。

    腹瀉点(腹泻点)
    第3指と第4指の指間背側から手首に向かってなぞった時に、骨が交わる点

    左右の手どちらかで痛い方をゆっくりと回すように押圧してあげると良いです。
    合谷も良いと言われますが、こっちも知っといてもらうと良いのではないかと。

    それでは良い一日を。

  • お腹が痛い…どんな痛み?

    お腹が痛い…どんな痛み?

    先週、看板を出していたら低学年ぐらいの子が今日は着衣泳だと話しかけてきてくれました。
    水泳自体が必須授業から離れそうな時代にそういった授業してくれているのはさすが国立…。

    私の時代も着衣泳一度はやってましたね。
    が、水泳の授業は寒くて毎度唇真っ青にしてました。プールサイドが暖かくて気持ちよかった…。今では暑くて入れない事もあるそうですが…
    さらに寒くてお腹が痛いともなってた気がします。

    というわけで今日は『腹痛』。特におへそより下の『下腹部痛』のお話を。
    胃が痛いのはまたそのうちに。
    ツボが知りたい人はすっ飛ばして最後を読んでください。笑

    そして本題に入る前に「実」と「虚」の説明を簡単に。
    東洋医学の考え方には物事は「陰と陽」「木火土金水」に分けられる考え方の『陰陽五行説』や邪気が盛んとなった「実」と、正気不足による「虚」という『虚実』の考え方があります。(正気とは身体を正常に保つ能力だと思ってください。)
    さらに『気血津液』というものもあるのですがそこは割愛。

    邪気が増えると正気が邪気を抑え込もうと闘います。ですので症状がはっきりと出てきます。こういった状態を「実」。
    正気が減ると激しい闘いは起こりませんが、バランスが崩れることで邪気による影響が強く出ます。この状態を「虚」といいます。

    で、腹痛の話に戻りますが、
    お腹を触られるのが嫌な場合は「実」
    お腹を押さえると楽になるのが「虚」と分類できます。

    その中で例えば「寒さや冷たいものを食べた時の腹痛」は寒邪という「邪」が強くなったものなので実…と言いたいのですが、下腹部より先に上腹部の『胃』が冷やされます。
    するとお腹の真ん中(中焦)の暖かさの元である「陽気」を損ない、暖かさが運搬されなくなり(脾陽虚)、下腹部に鈍痛が生じます。この時は虚証なのでお腹を温めると楽になります。

    他には不安や不眠が続いて「血虚」という状態であればチクリチクリとした痛みが起こります。

    逆に実証の腹痛はどんなものかというと怒ったり気を使いすぎたりすると「肝経」という気の流れが悪くなります。こういったものを「肝鬱気滞」と言い、気が滞っている状態です。
    こういった時は側腹部がキリキリというような腹痛になりやすいです。
    気が滞っているので矢気(しき)、つまりはおならをするとちょっと楽になります。

    あるいは食べ過ぎ。常にお腹が張ったような腹痛ですね。

    こんな風に同じ腹痛と言ってもどんな風に痛みがあるのかによって考え方が変わります。
    さて、腹痛を紹介して終わりでは読んだ皆様もどうしろという話なのでツボを少々。

    寒さで生じる脾陽虚には脾や胃を温めたいので『中脘、足三里』というツボを
    側腹部がキリキリとした痛みの時は気を流したいので『太衝、陽陵泉』
    食べ過ぎの時も『足三里』が有効です。

    中脘はこちら。胸骨と呼ばれる胸の硬いところの一番下とおへそを結んだ中点。

    Image

    膝下、横に出っ張っている骨の斜め前下に「陽陵泉」
    内くるぶしに手の薬指中指人差し指と、指を3本並べて当てた人差し指の部分、骨のきわ「足三里」
    足親指と人差し指の間を上になぞって骨に当たるところ「太衝」

    Image

    ここらを押さえてやるか、お灸なんかが効果的です。

    ただ誤ったやり方をしてもあまり効果が無かったりしますので、きちんとした治療を受けたいという場合はご予約を。笑
    その場しのぎでなく、全体から体調を整える治療が大切です。
    それでは良い一日を。


  • 夏の腹痛

    夏の腹痛


    いよいよ夏真っ盛り…まだ梅雨空けてませんよ?
    朝からバイクで走ってると途中の温度計が30℃を示してました。
    なんなら昨日の帰りも30℃だった気が…?

    そんな中、食べたくなってくる定番と言えばアイス等の氷菓や冷菓。
    ただ食べ過ぎてよく起こりがちなのが暑いときの腹痛。

    これは東洋医学的に「寒邪による腹痛」となります。

    最近はあまり聞きませんが内臓の事をまとめて「五臓六腑」と呼んだりすることがあります。
    五臓とは「肝・心・脾・肺・腎」、六腑とは「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」の事を言います。

    聞き慣れないのもありますが、それはちょっと置いといて…

    身体の中は「陽の気」と「陰の気」という『気』がうまい具合に巡って調子を整えていますが、冷たいもの、つまりは「寒」のモノを胃に沢山入れると、「陽の気」が弱ります。

    胃の周囲の「陽の気」が弱ると、今度は「脾」と呼ばれる臓器が弱ります。
    「脾陽虚」という状態です。

    この「脾」ですが、東洋医学では全身に栄養を巡らすような働きをもつものとされています。
    西洋医学とちょっと考え方が違うので注意です。

    で、この栄養を全身に巡らす力を「運化」と言いますが、脾の運化作用が弱るので全身に栄養が行き渡りにくくなり、さらに冷たいものにはキュッと縮める作用があるため、臓器を縮め痛みを出すようになってしまいます。

    これがよくある夏の腹痛のパターンですね。
    ひどくなるとお腹が鳴り、食欲がなくなり下痢や消化不良まで表れます。

    じゃぁ、どうやって判別・対処しましょう?という事になるのですが、
    お腹が痛いときに手を当ててみてください。温めて痛みが軽減するようならこの「寒邪」による腹痛です。
    温めて痛みが増すようなら熱症による腹痛ですので別物です。原因が違うので次の対応をしてはいけません。それはまた別の話。

    対処法ですが、家庭でできる一番お手軽なのは「お灸」です。
    某せんねん灸なんかで十分ですがこれを中脘(ちゅうかん)というツボにお灸してやるのが一番です。

    Image

    (AIで画像生成してみました。便利ですね。)
    みぞおち(鳩尾)と呼ばれる胸の骨の下の凹む部分とおへそを結んだちょうど真ん中が「中脘」になります。(厳密には剣状突起の先端と臍を結んだ中点とします)

    お灸が手元に無い、でも早急に対処したい!というときは空のペットボトルに人肌より暖かい程度のお湯を入れてツボ周囲に当ててやると良いですね。
    ただ通常のペットボトルですと熱で変形する危険性もあるので注意です。
    コンビニに売ってるオレンジ色の蓋のペットボトルを置いておくのもありかもしれません。

    それでも改善しないという時はさらなる治療が必要です。
    そういったときはお早めにお近くの鍼灸院に。
    当院でもハリ、お灸による治療を行っております。ご相談下さい。

    それでは良い1日を。