京都市伏見区の視力回復・姿勢改善・腰痛改善などの鍼灸接骨院

たかのめ はり灸治療院 接骨院

タグ: 漢方

  • ツボって何?

    ツボって何?

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    今更私なんぞが書くまでもなく色々なところで解説されてはいますが、当院のHPで初めて鍼灸や東洋医学に興味を持ってもらった方も中には居られるかもしれない…という事で簡潔に書きたい(願望)

    要は『身体が何か反応を返してくれる場所』だという事を理解していただければそれで良いかと思います。

    厳密に言うと気の流れとかそれに沿った身体への影響とか色々あります。
    十四経という14の気の流れの大元があってその流れの中で特に反応が出やすい部分を「穴」としているわけです。
    当然その14の流れに沿わない例外的な「穴」もあるので具体的に何穴ある?と言われると困りますが、おおよそ360程度は名前が付いたものがあります。

    古典によって数は違って
    一番教科書的に使われる「霊枢」という本では365穴
    3世紀ごろの「甲乙経」では356穴、14世紀頃の「十四経発揮」と呼ばれる本では354穴、19世紀の「経穴纂用」では365穴とバラバラです。

    まぁ、ほとんどが一番最初に編纂されたとされる1世紀ごろからの『黄帝内経』をまとめたものではあるとされています。編纂されたのが1世紀であって、理論としては紀元前からあるようです。

    まぁ、そんな歴史の中での経験則なんかを踏まえてまとめたのが今の「経絡・経穴」と呼ばれる、気の流れとそのツボになります。

    つまりは紀元前頃、「五行説」というような理論は既に確立していたと思うと凄いです。
    漢王朝四百年の末期、ローマ帝国全盛期に比べて弥生時代のなんかこう…矮小さ?
    そりゃ当時蛮族扱いされてもしゃーないですよ。

    で、その歴史の中でここを刺激すればこの病気が治る。こんな病気だとこのツボに影響が出る。みたいなのをまとめたわけです。
    それが先の『黄帝内経』といった古典になるわけですね。

    当然現代でアップデートはされているわけですが、そのほとんどがそのまま使われています。
    そういった先人の知恵をお借りして鍼灸師は治療を行っています。
    現代病と言われるような生活習慣病やアレルギー疾患、精神疾患も実は当時からあると書かれており、それに対する対処法も記されています。

    そんな東洋医学的な治療を受けてみたいという方、一度当院へご相談いただければと思います。
    それでは良い一日を。

  • こむら返りに効く漢方 2

    こむら返りに効く漢方 2

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    (甘草の写真です。)
    当院HPでよく表示されている検索ワードは「こむら返り 漢方」によるアクセスです。
    …なんで?

    こむら返りに効く漢方

    普通の事しか書いてない…
    というわけで改めてちょっと詳しく書こうかと。長文になる気配。

    まず「こむら返り」自体は前にも書いた通り「筋肉の痙攣(けいれん)」が生じています。医学的には「有痛性筋痙攣」と名が付きます。

    痙攣と書くとブルブル震えるような印象を持つ方もおられますが、このけいれんは筋肉が収縮し続けて伸びない、緩まない状態を指します。

    前の記事では原因とされるものに冷え・疲労・脱水が多いとも書きました。
    医学的にいうと「下腿への循環不全・電解質不足」です。
    水分不足により血流が流れない、またNa(ナトリウム)Ca(カルシウム)などが不足することにより筋肉が正常に動かなくなる状態ですね。

    東洋医学的には血が足りない状態を「血虚」といいます。また水分の事を「津液」と云うことがありますがそれは「陰」の気に属するので両方足りなければ「陰血不足」という状態。
    陽は足りているが陰が足りていないとされることが多いです。

    となると水分を調整するような漢方、あるいは筋肉に作用する漢方が有効となるわけです。

    その中で一番の有名どころが「芍薬甘草湯」となるわけですが、
    疾走後なんかに生じるこむら返りと、冬の夜の寝ている時に生じるこむら返りが同じように効くかというとちょっと怪しい。

    冬のこむら返りは「寒」によるものが強いので芍薬の水分調整と甘草の筋の弛緩だけではちょっと効かないことがあるわけです。
    ただ、他にも何かないかと調べると中国のサイトにこんなものがありました

    1. 足のけいれんが再発する場合は、寒さによって悪化します。
    手足のしびれ、手足の冷え、寒さへの恐怖などは、陽気が弱り、気血の循環が悪くなっていることが原因である場合があります。黄耆桂枝五物湯は、経絡を温め、寒気を鎮める効果があります。
    https://m-mip.39.net/askar/mipso_11801138.html

    黄耆桂枝五物湯(おうぎけいしごもつとう)ですね。
    日本では手足のしびれ等に用いられるとされますが、中国ではこういった書き方をされるようです。

    さらには

    1.肝血虚型
    識別のポイント: 頻繁なけいれん、手足のしびれ、めまい、爪の乾燥を伴う。
    薬剤リスト:
     芍薬と甘草の配合剤(芍薬顆粒など):肝臓を柔らかくし、急性の痛みを和らげ、痛みを止めます。
     养血荣筋丸:血液を補い、腱に栄養を与え、長期の血液不足の人に適しています。2.寒湿阻滞型
    識別のポイント: 寒さによってけいれんが悪化する、足が痛む、冷たくて痛い、または風邪をひいたことがある。
    薬剤リスト:
     独活寄生丸:リウマチを消し、風邪を消し、痛みを和らげ、寒気と湿気に侵された人に適しています。
     小活络丸:経絡を温めて側副血行を良くし、冷えが滞って瘀血が起こったときに使います。
    3.气血両虚型
    識別のポイント:けいれんは疲労、顔色不良、動悸、息切れを伴い、疲労後に悪化します。
    薬剤リスト:
     帰脾湯:気血を補い、脾虚と血虚を調節します。
     八珍丸:気と血を補い、筋肉の栄養失調を改善します。
    https://health.baidu.com/m/detail/ar_6003003721831049463
    ※自動翻訳だけではやはり変な翻訳になるのが多いので少し改変しています。

    独活寄生丸はさすがに初めて聞きましたが日本でも買えるようですね。
    ただやはり症状に合わせて処方されるのが一般的ですね。

    以前にも書きましたが日本の市販漢方薬は飲めば万人に効くものではありません。
    本来であれば個々に合わせて調剤すべきなのですが、一般化するにあたって病名に合わせた画一的な薬になりました。
    同じこむら返りでも芍薬甘草湯が効く場合と効かない場合がありますよという話です。

    ただどの中国のHPにも「運動しろ」「栄養をしっかりと取れ」という文言が入っていることが殆どでした。
    あまり日本のHPではそういったことは書いていないことが多いのですが、中国ではそういった日常の生活からの指導が一般的なのでしょう。(ナツメとリュウガンのスープを飲めとか。リュウガン…見たことすらないです。)
    (中国出身の患者様に聞いてみると家に甘草ぐらいは常備しているとか、昔は陳皮も自分の家で作っていたが、農薬酷すぎて買うしかなくなったとか聞いてて面白かったです。)
    日本では病院で薬貰ったらそれで満足してあと何もしない方が多いですもんね…。

    またこんな文言もありました。

    「歳をとったのだから、これらの問題を受け入れていいのだろうか?」と言う人もいますが、決してそうではありません。歳をとったからといって体が弱るわけではなく、弱ったからといって足がつるわけでもありません。70代、80代の中医の老師たちは、日々の鍛錬と肝気の滞りのなさのおかげで、一日中立ちっぱなしで患者を診ていても疲れを感じません。足を弱らせる本当の原因は、年齢ではなく、怠慢なのです。いつも「老い」を言い訳にする人がいますが、それは実は怠惰の言い訳です。
    http://www.360doc.com/content/25/0426/10/53000828_1152140965.shtml

    中々耳に痛い方も多いのではないでしょうか(笑)

    ですので、ちょっとでも運動できるなら運動しましょう。
    それでは良い一日を。

    ※私は登録販売者資格を持っているわけではないのであくまで紹介です。
    上記漢方薬を推奨しているわけではないのでご留意ください。

  • 漢方薬って何なの?

    漢方薬って何なの?

    先日、いつもと違うドラッグストアに行ったらふらふらしながら原付を押しているお爺さん。
    怪しいなと思いつつ店内に向かおうとしたら後方で原付が倒れる音。
    振り返るとお爺さん居ない…横倒しの原付の向こう側に倒れておられました。
    意識は有り、足に力が入らないということで熱中症…ではないような気がしましたが、そこはもう救急隊に任せました。
    人助けするのは久しぶりでしたが、救急法学んでおくのはやはり大事だと思いましたね。

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    さて、漢方薬と聞くと皆さんはどんな印象を持たれるでしょうか?
    苦い?まずい?胡散臭い?効くの?高い?

    上に挙げたのはすべてネガティブな印象ですが、比較的こう思われた方は多いのではないかと
    しかしながら、今やドラッグストアで一角を占める程度には普及しているのが漢方薬です。

    元々「漢方」という言葉自体、中国医学の事を指していたりします。
    漢の時代の後、5~6世紀ごろ日本に伝わった医学体系ですね。

    その元となる一つに『神農本草経』と呼ばれる書物があるのですが、そこに登場する「神農」と呼ばれるヒトが自分の身体で人体実験した集大成であるとされています。
    神農様は頭と内臓以外が透明で毒を食らうと内臓の色が変わるからどこに効いたか分かったんですって。怖…。

    そこから江戸時代にかけて日本お得意の魔改造…もとい独自に発展していった部分があります。

    ただ、本来漢方とは患者一人一人に甘草を何g、陳皮を何gなどその人に合わせて必要な量を処方し煎じて飲むというのが本来のものでした。
    個々にオーダーメイドされたものなので副作用が出にくく効果が高いとされていました。

    しかし、西洋の薬剤一辺倒なのが批判された時代があり、西洋医学と同じようにエキスを抽出し、一定量で調節されたものが販売されるようになりました。

    そのため、本来の漢方よりも効果がハッキリ出にくいこともあるそうです。
    胡散臭く感じるところはこの辺りのこともあるのかもしれません。
    副作用が無い、なんて言われたりもしますが、体に合わなければ当然副作用は出ます。

    それでも以前「こむら返り」にも書いたように完全に症状用に調整された漢方薬だと即効性があるので分かりやすくて良いんですがね。

    残念ながら私は薬剤師や登録販売士の資格を持ち合わせていないので漢方を処方することはできません。
    昔は薬種商と言って薬剤師でなくても漢方を販売することができたのですが、どこかの阿呆が実務経験について不正したせいでちょっと厳しくなったりしたのはまた別のお話。

    登録販売者試験における実務経験証明書不正実態調査の取りまとめ結果https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002zx0t.html

    今では登録販売士の試験を合格し、ドラッグストアで月80時間を1年以上(実務経験)働かないと、第2種医薬品の販売はできません。

    これ買って飲んでね!みたいなことは薬剤師法違反になるのでできません。
    じゃ、なんでこの記事書いたんやと言われそうですが、

    と言いたかった。(笑)
    ご相談いただければご紹介ぐらいはできるかもしれません。

    それではよい一日を。

  • 日光とビタミンD

    日光とビタミンD

    夏至も過ぎてこれからは昼の時間がどんどん短くなっていくばかりとなりました。
    7月8月もあるのにほんまに昼の時間短い?と毎年思っています。

    1日の時間考えると『地球の自転は23時間56分4秒(にいさんごろし)なのに1日は24時間なのは何故』とか書き出しても面白いのですが、それはまた別のところで。

    昼の時間が長いというという事は日光を受ける時間が長いという事。
    人体が日光から受ける影響はたくさんありますが、そのうちの一つに「紫外線」というものがあります。

    この紫外線、ヒトが生きていくのに必要なビタミンを作り出してくれています。

    ビタミンD自体はD2~D7まで6種類ありますが、そのうち人に必要なのはD2(主に植物性)とD3(主に動物性)。
    ただし外部から摂取するだけでなく、数少ない?体内(皮膚)で合成できるビタミンになります。

    ビタミンDの役目はカルシウムを体内に取り込む働き。
    なので少ないと骨粗しょう症の原因となります。若いうちの摂取大事。

    外部から摂取するビタミンは既に活性型ビタミンDなのですが、体内にもビタミンDの元となるという7-デヒドロコレステロールというものがあります。
    難しい名前なので別に覚える必要はありませんが、これが紫外線(B)を受けるとプロビタミンD3というものに変化し、さらに体温でビタミンD3に変化します。

    これが活性型といわれる所以ですね。

    じゃぁ、どのぐらい日光に当たればよいのか

    日光に当たる時間が長いと当然日焼けや他の問題も出てくるのでなるべく避けたいところですが、その時間を調べた論文が以下

    体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定
    https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.html

    京都をつくばと同じぐらいの緯度と考え、さらに両手の甲から腕ぐらいの面積を日光に当てるものとして、

    全然違うやん…

    ただしこれは1日に必要とされるビタミンDの1/3量を生成する時間です。
    単純に考えるとこれの3倍の時間当たらないといけない…日焼けしちゃう…

    なので食べ物と日光浴とバランスよくとりましょう

    あと必要とされる紫外線(B)は窓ガラスで減衰するので直接日光に当たるのが一番良いとされます。
    また加齢でビタミンDの吸収量が減るため摂取目安量が増えます。

    Kikurage

    きくらげはビタミンDを多く含む食品として有名ですのでたくさん摂りましょう(笑
    今日も治療と関係ない内容でした。
    それではよい一日を。

  • 身体を冷やす食べ物

    身体を冷やす食べ物

    もう夏ですね。
    郵便屋さんが毎度「暑ぅ」と言いながら出入りされています。
    梅雨前線は帰ってきたようです。一時消えてたのに。

    さて、これだけ暑いと身体を冷やす食べ物を摂りたいところですが、前にも書いた通り冷たいものをたくさん食べてしまうと「脾」を痛めてまたお腹が痛くなってしまう事請け合いです。

    『夏の腹痛』

    では冷たくないもの以外でどんなものがあるのかというところなのですが、この話を書くに至る漫画を一つ紹介。

    私は漫画好きでおそらく二千冊近い所蔵があると思うのですが、今まで読んだ漫画の中に「鉄鍋のジャン」という料理バトル漫画があります。
    料理バトル漫画と言えば「ミスター味っ子」から始まり「中華一番」「食戟のソーマ」「寿エンパイア」など色々あるわけですが、その中でも特に異色の、正直あんまり紹介できないような漫画です。

    勝つためには相手が作った料理どころか審査員がどうなってもいいや、っていうタイプの主人公の漫画なので気になった方はどうぞ。

    「飲めるラー油」が流行る10年ぐらい前、既に「飲めるラー油」を漫画の中に登場させているあたり、監修の方の造詣の深さが伺えるんですけど…内容がね…ちょっと紹介できないぐらい酷い。

    その主人公(秋山醤)の祖父(秋山階一郎)が中国で日本兵が無骨な事してるってので料理で懲らしめるというエピソードがあります。
    その時、身体を冷やす料理を作って兵たちを動けないようにして懲らしめるという事をしました。

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    by鉄鍋のジャン 24巻 番外編

    この話を最初に読んだときは結構衝撃的で医食同源とはこういう事かと。

    東洋医学において森羅万象全てのものは色々な2つの陰陽と5つの分類に分けられるという「陰陽五行説」というものがあり、その中に「五性」というものがあります。

    「寒(かん) 涼(りょう) 温(おん) 熱(ねつ) 平(へい)」

    これは鍼灸の学校でも覚えない位マイナーな範囲のところではあったりするのですが、その「涼」や「寒」の食べ物を沢山食べさせたというお話です。薬膳のお話ですね。

    まぁ、日本で「蟹」はあんまり夏場に食べるもんでもないですし、作中の現場が中国という事で聞き慣れない食材ばかりですからあまり応用が効くもんではないのですが

    「冬瓜」。冬のウリと書きますが、冬まで保存が効くということで冬瓜というそうです。
    夏が旬の食べ物ですが、これも身体を冷やす働きがあります。

    日本で買える他の食材としては
    トマト、キュウリ、スイカ、茄子、ニガウリ、ごぼうやタケノコなんかも「寒」の食べ物にだったりします。

    ナス科やウリ科は基本的に身体を冷やす食べ物ですね。
    なので中国では身体を温める油まみれにして食べたりします。
    キュウリが熱い油に浸って出てきた時は衝撃でした。

    「秋茄子は嫁に食わすな」なんてことわざは特にそうですね。
    身体を冷やしやすい女性に対して身体を冷やす食べ物だから食べさすな、というお話。
    美味いから食わすななんて誰が言ったんやそんなこと…

    長々と書きましたがここまで読んでいただいてありがとうございます。
    書きたい事かけたので満足。
    なおここまで書いて治療については一切触れてないことに気付く。

    それではよい週末を。