骨と骨の並びが不整な状態を「脱臼」と言いますが、その中でも一番多いものが「肩関節脱臼」です。
もっと詳しくいうと「肩関節”前方”脱臼」が一番多いものとなります。
この”前方”は骨がどの方向に脱臼したかを示しています、つまり前。他には上方とか後方とかありますが稀です。
何故肩の脱臼が一番多いかというと楕円上の皿の上に筋肉で押さえられているだけだからです。
厳密に言うと関節を包んでいる袋や靭帯とかもあるのですが、肩は保護する力以上の外力が加わりやすい部分でもあるのです。可動範囲も大きいですし。
後方に転倒して手や肘を衝いたり、肩から落下したりすると結構簡単に外れます。
多分、私でも頑張れば人の肩なら外せます。やりませんしやったこともないですけど。
で、この脱臼。構造が分かってる人間がやると簡単に嵌(はま)ります。
ただ、嵌ったから治癒…というわけではなく、先ほどの袋が破れてしまっているのでそれが治るまできちんと治療してやる必要があります。
アレックス少佐があえて敵の攻撃を受けて肩の脱臼を嵌めるシーン。
ハガレンは名作。でもこんな嵌め方は駄目です。
それでも嵌める方向的には間違ってない所を見ると作者がよく調べているのが分かりますし、間にキラリと光る目の一コマを入れることで「狙って」治しているのが分かる。凄い。by 鋼の錬金術師 95話
これを放置すると脱臼「癖」になります。
袋が破れたままだとそこからまた骨が抜けてしまうわけですよ。
まぁ、基本的に怪我は放置すると癖になる危険性があるので放置しては駄目なのは脱臼に限りませんが。
年齢にもよりますが少なくとも2週間、できれば一ヵ月は提肘(ていちゅう)といって三角巾で肘を吊ってやる必要があります。
脱臼直後であれば破れた袋部分から出血したり色々あるので包帯で圧迫する必要もあります。
はまったら終わりでなく、最後まできちんと治しましょうね。
もし脱臼かな?と思ったらすぐに接骨院か整形外科に行きましょう。
当院が”接骨院”としているのは骨折とか脱臼とかあったら来ていただければきちんと治したいと思い、”接骨院”を掲げています。
それでは良い一日を。







