やはり雨が降ると気温が下がって楽ですね。夜の過ごしやすさが段違いです。
昼間の散歩はまだちょっと無理そうですが…
歩いていて膝が痛い、となると外出を控えるという方も多いかもしれません。
しかし、人間歩かないと下肢の筋力がどんどん落ちてしまいます。
そして筋力が落ちると安定性が減るため、余計に痛みが出てくるという悪循環。
そうならないように痛みは初期のうちに取ってしまうのが正解です。
ただ、その膝痛がどこから来るのか、というのはきちんと検査しておきましょう。
変形なのか、水腫なのか、半月板が減っているのか、etc…
もし既に痛みで外出が難しいという場合、当院では往診を行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。
さて、何が起こっているのかという所について少々。
○変形による膝痛
ご高齢の方々には一番多い膝痛であるとは思います。病名としては「変形性膝関節症(OA)」。これと後述の水腫が併発していることが多いですね。
一般的に多いのは膝の内側の骨が変形によって、膝が外を向いてしまっている状態。こういった膝を「内反膝」俗に「O脚」といいます。
こうなってしまうと股関節自体も外へ向いてしまい、太腿の筋肉が正常に作用しなくなり筋力の低下がみられます。
こうなるとアライメントと言って、膝全体のバランスが崩れ、余計なところに負荷がかかって痛みがでてきてしまいます。
変形自体を修正することは手術以外では出来ません。
ですので手術しなくても良いように、正常な歩き方に戻すような治療を行っていきます。
○水腫による膝痛
膝の中は「関節液」という潤滑油となる液体で満たされています。
しかし、膝を包む袋や、先ほどの骨の変形などにより膝の内側が傷ついてしまうとこの関節液が増えてしまいます。
こうなると膝の袋(関節包)の中が水でパンパンに満たされてしまい、膝を曲げ伸ばしするのも難しくなります。また、増えた水が周囲を圧迫してしまうことで痛みが発生します。
整形外科では即注射で余計な水分を抜いてしまいますが、その際、膝の内側を傷つけてしまうので再度水が増える原因を作ってしまいます。ですので、できるだけ注射による治療は避けたいところ。よく「膝に水が溜まると癖になる」というのはこういった理由ですね。
膝周径を測って左右で2cm以上差があれば注射の方が早いですが、それ以下なら包帯で包み込むことによって自分で吸収する力を補助してやるのが一番です。あと膝へのお灸が良いですね。昔ながらではありますが、水分の吸収力を高めてくれます。位置は後述。
○半月板損傷による膝痛
よくいう「軟骨がすり減る」というのと同意義で良いかと思います。
半月板や軟骨には「ほぼ」痛覚が無いので内側がすり減ったところで痛みはありません。が、クッションとなっているものなので、これがすり減って無くなってしまうと骨と骨が直接ぶつかってしまい、骨の軟骨部分がすり減ります。結果、骨の硬い部分がこすれ合う状態となり痛みが出てきます。ここまでなってしまうと手術となってしまうことが多いです。
by Radiopeadeia
海外の画像診断まとめサイトから。様々な症例があって非常に勉強になる。
右のが正常、左が変形のレントゲン像になります。
右の黄色いマークの間部分が軟骨(+半月板)の位置になります。半月板も骨の軟骨もレントゲンには映りませんので、骨が浮いているようなレントゲン像になります。
左の写真の矢印位置は黒い部分の厚みが左右で違いますね。写真右側(内側)が完全に減ってしまっている状態です。こうなると痛みが出ます。これは先述の変形も併発しています。
こういった場合に自宅でできる事となると前側太腿の「筋トレ」が一番良いかと思います。
膝下にタオルか何かを入れた状態で仰向けに寝ます。その状態で膝をタオルに押し付けるようにすると前の太腿(大腿四頭筋)に力が入ります。全力での押し付け10秒、リラックス3秒を繰り返し行うことで四頭筋が鍛えられると歩くのが楽になります。
また、お灸でいうと「内膝眼(ないしつがん)、外膝眼(がいしつがん)」というツボに行うと良いです。市販されている千年灸などで良いので膝のお皿(膝蓋骨)の下側の左右の凹み。ここに何壮か据えてやると良いですね。
最初はどうしてもトレーニングの仕方が分からなかったり、場所が分からなかったりしますので来院していただければ正確な方法、位置をお教えいたします。お気軽にご相談ください。
それでは良い一日を。


