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たかのめ はり灸治療院 接骨院

タグ: ド・ケルバン病

  • 手首の腱鞘炎

    手首の腱鞘炎

    昨日は七夕でした。
    織姫と彦星が…なんて話の詳細を今の子どもたちは知っているのでしょうか?
    二人で放蕩にふけって怒られたのか、瓜を縦に切って大水によって別れさせられたのか等パターンは色々あるようですが。

    そして今日は腱鞘炎の話
    当院で現状最も多い疾患となります。肩より腰より手首が多い…
    やはり手を使う仕事をされている方々は手首の痛みに悩まされている方が多いです。

    この腱鞘炎、私の中でも厄介な疾患な事請け合いです。

    まず「腱鞘炎、けんしょーえん」とはよく言うのですが、腱鞘炎とは何なのか?

    筋肉は骨に付着します。ただ、「肉」のまま骨に付くのではなく「腱」というものに変化してから骨に付きます。その腱ですがカーブしたりよく使う所だと摩擦で痛む事があります。
    ですので、そういった負荷がよくかかる部分には「腱鞘」というサヤに包んで負荷を軽減してくれます。

    フリー素材なので図としてはイマイチですが腱鞘のイメージとしては分かりやすいかと思います。

    Image

    赤っぽいのが『腱』(本当は白色ですが…)、水色の部分が『腱鞘』です。
    さて、これで腱鞘のイメージはできたかと思います。

    ここからはなぜ傷付きやすいか
    この「腱鞘」と「腱」、負荷を軽減してくれるとは書きましたが、そこまで丈夫でもありません。
    特に手首の親指の付け根の部分ではカーブが強いのと血管が細いのも相まって傷付きやすく、また栄養不足を起こしやすい部位となります。

    そうなるとどうなるか、腱鞘や腱に繰り返し微小な損傷が生じて『炎症』が発生します。
    これは関節部の筋腱の損傷という事で「捻挫」となります。痛み、炎症が生じた時点で受傷です。

    そしてこの捻挫の中でも特に親指の『長母指外転筋・短拇指伸筋部』で損傷を起こしているものを「ド・ケルバン病」と呼びます。
    「病」とついてはいますが、腱または腱鞘の損傷です。

    長々と書きましたが、要は「使いすぎで腱や腱鞘が痛んでいる状態」が腱鞘炎です。

    一番簡単な検査はフィンケルスタインテスト「親指ごと握り込んで小指側に手首を(真っすぐに)曲げる」と手首で痛みが出たらこいつだと思って良いかと。

    じゃぁ、どうやって治すか。
    当院ではアイシング、アライメントの調整、筋バランスの調整。
    あとテーピングによる固定、動作制限を行います。
    発症初期できちんと通院していただければ1週間から2週間程度で治癒します。

    ただ、最初に厄介な疾患と書いた通り、この外傷は治りにくいです。

    何故か。

    指導としては「安静」なのに仕事上「安静にできない」方々ばかりなんです。

    安静にしとけば治るけど安静にできないジレンマ。
    治療すればある程度痛みは軽減し血流も改善するので痛みは引くのですが、その後再度動かして傷付いてしまうとまた炎症が再発してきてしまうんですよね。
    そして身体の生理学的機能上、二度目三度目の炎症は治りにくい。
    身体が治ろうという機能がどうしても落ちてきてしまいます。

    ただ、私もそれで諦めるわけではありません。
    お灸が効果的であり、また鍼により血流の改善等を行い手首だけでなく全体の調整をすることでの施療を行っていきます。

    傷付いた組織が治るのに必要なのは「血液」です。不要な物質を運び出し、栄養を運んでくれる血液が流れ込まなければ身体は治りません。なので血流は非常に大事なのです。

    長年痛み続けて放置しているという方も多いかとは思いますが、そういった疾患があれば一度ご相談いただければと思います。
    それでは良い一日を。