野球をされている方なんかではよく聞く疾患名ではないでしょうか。
肩を上げると痛みが出る。投球時に痛みがあるなどボールを扱う競技では頻繁に起こる外傷の一つです。
今日はメジャーの佐々木選手を悩ませているというインピンジメント症候群についてのお話。
impingement syndrome、直訳すると『衝突症候群』という意味となります。
じゃぁどこが衝突してんねん、という事になるわけですが
超簡単に言うと下の図の赤い丸の部分
byプロメテウス 筋骨格系
ここには「肩甲骨」「上腕骨」「鎖骨」という3つの骨が写っています。
その中で、これは肩甲骨の一部分、赤丸の「肩峰(けんぽう)」と書かれた部分
それと青丸の上腕骨の「大結節」と呼ばれる部分
基本的にはこの二つが衝突することによって何らかの症状が出ることを「インピンジメント症候群」と言います。
ただ、骨と骨がそのまま衝突するわけではなく、その間にある筋肉や腱、クッション材となっている滑液包などが挟まれることによって様々な症状が出現します。
画面の前で一つ試してみてください。
手のひらを下に向けたままの状態で、腕を外側に持ち上げていき、腕と頭を付けることができますか?
おそらく途中で止まる、あるいは一度上げにくくなると思います。
その瞬間が先ほどの「大結節」と「肩峰」がぶつかっている状態です。
(もしこれが途中で止まることなく上げられる方はもの凄く肩が柔らかいか肩甲骨を器用に動かせる方です。)
この時、肩に痛みが出た方はインピンジメント症候群の危険性アリです。要注意!
投球動作やオーバーハンドで打つような競技で痛みが出てきてもおかしくありません。
基本的には安静となるのですが、そうもいかないことが多いかと思います。
痛みのあるまま放置しておく、あるいはプレーを続けると筋腱が摩耗し断裂、あるいは炎症によってさらなる痛みの出現、五十肩の原因にもなり得ます。
そういった症状があれば早め早めに当院へご相談ください。
アライメントの調整といった治療だけでなくフォームの改善、テーピングによる負荷の軽減など様々な対応を行います。
試合に間に合わせたい、練習しながら治していきたいなど、できうる限りのご要望にお応えします。
それでは良い一日を。

